10坪前後でも快適に過ごせる家

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よく住宅の面積をあらわすのに坪が使われますが、いったいどのくらいの広さなのでしょうか。例えば10坪は1坪でおよそ畳2畳分の面積なので、約20畳分ぐらいの広さとされています。平米になおすと33.05㎡になります。10坪の約33平米は広いスペースとは言えませんが、住宅は広ければ良いという単純なものではありません。広ければスペースに困ることはありませんが、必要以上に広い家は掃除や管理が大変です。なので広いから快適に過ごせる、狭いから快適に過ごせない、というわけでは決してありません。今回は快適に過ごせる狭小住宅10坪以下の住宅を紹介したいと思います。

自慢したくなる10坪の家

こちらは大阪府を拠点に活動するCOIL松村一輝建築設計事務所が手掛けた敷地面積およそ12坪、建築面積およそ10坪の家です。白い外観が狭くて小さな家というマイナスな印象を取り払い、かわいくてお洒落な家という印象を与えてくれています。ただ真っ白なだけでなくレンガ模様になっていたり、玄関横におかれた植物や、木の扉、瓦の曲線だったり全てが素敵な要素となっています。狭いから友だち呼びたくないな… と思うことはなく、逆に自慢したくなるお家ですね。

撮影:増田 好郎


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狭小住宅10坪以下の家は、視線の工夫で狭さをカバー

こちらは狭小住宅10坪以下の住まい。およそ8坪の狭小住宅です。東京を拠点に活動するSOCIUS一級建築士事務所が手掛けました。地下1階、地上2階建ての住宅となっています。それぞれの階を繋ぐのがこちらの階段です。光を通すことのできるガラスブロックの使用と、階段に壁をなくすことで空間を広く見せてくれています。また階段を降りているときに視界に入る部分が壁ではなく窓からの外の景色という、視線の工夫も施されています。

設計・撮影:SOCIUS一級建築士事務所 岩間隆司


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光と風でつくる優しい居心地、10坪の家の快適さ

こちらはおよそ10坪の家。建坪わずか11坪のこちらの住宅のコンセプトは「光」と「風」と「居心地」です。京都を拠点に活動する池田デザイン室(一級建築士事務所)が手掛けました。空間を仕切らず繋げることで部屋を広く感じられたり、いろいろな居場所をつくることで居心地がよくなるように、狭くても快適に過ごせる小さな工夫が施されています。こちらはそんな住宅のリビングルームです。小さな空間ですが吹き抜けにすることで、開放感を感じられると同時に1階に光を導くという役割も果たしています。居心地の良さそうな空間ですね。


【住まいづくりついては、こちらの記事でも紹介しています】

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狭小住宅10坪以下、コテージ風でコンパクトな快適さ

こちらは家は家でもコテージの家です。山梨県を拠点に活動するコテージスタイルが手掛けました。八ヶ岳の森の中、標高1600mに建つわずか9坪弱のカントリー調あふれるコテージとなっています。狭小住宅10坪以下というスペースには、生活に必要な全ての機能がコンパクトに収められており、夫婦二人が快適に長くここで暮らすことが考えられています。真冬になると外は雪で一面真っ白になりますが、キッチン、ストーブ兼用の薪ストーブで家全体ぽかぽかになり快適に過ごすことができます。また視覚的にもぬくもりが溢れていますね。

狭さを感じさせない階段

こちらは東京を拠点に活動するANOTHER APARTMENT LTD.が手掛けた住宅です。建築面積はおよそ10坪以下の28平米です。地上2階建ての住宅となっています。周囲を建物に囲まれていますが、道を挟んだ正面には緑豊かな公園があります。その公園をうまく利用することで、こじんまりとしていますが、それでいて伸びやな暮らしを実現されました。壁から薄い板が飛び出したような軽やかな階段が、公園の豊かさを家のすみずみにまで広げ、狭さを感じさせない空間をつくるひとつの要素となっています。

写真撮影:鳥村鋼一

プライバシーと採光の確保

敷地面積およそ13坪、建築面積およそ10坪の家は、鉄筋コンクリート造の住宅です。埼玉県を拠点に活動するスタジオ4設計が手掛けました。縦に細長く入ったスリットがお洒落な外観となっています。こちらは比較的交通量の多い道路に面し、また周囲も近隣家屋が隣接している中で、採光と通風を得るために道路側に設けた壁の内側にある吹き抜け部分となっています。また屋上にはルーフテラスがあり、ガーデニングが楽しめるようにもなっています。

段差の工夫

こちらは東京を拠点に活動する充総合計画 一級建築士事務所が手掛けた扇型の敷地に建つ、扇型の形をした住宅です。12坪余りが建築可能範囲という厳しい制約を受けられた中で、敷地の形状や高低差という問題をうまく活かした住宅となっています。決して広いとは言えない空間の中であえて段差をつけることで、その段差にガラススリットを設け下の階へ光を届ける役割も果たしています。意識しないとわからないぐらいのところにまで工夫が施された素敵な住宅です。

緩やかな曲線

こちらは東京を拠点に活動するNIJI ARCHITECTS/原田将史+谷口真依子が手掛けた、建坪が10坪という2住戸3階建ての賃貸長屋です。2つは同じ間取りで界壁を斜めに配置することによって空間に広がりを与え、高い天井高と相まって狭さを感じさせない内部空間となっています。壁いっぱいの開口部からは登り天井や緩やかな曲線を描く界壁を伝って様々なかたちの光と影を作り出します。また木々の影が映ることで、内部空間に居ながらにして木漏れ日を浴びることができる空間にもなっています。

白い世界と黒い世界

こちらも建坪およそ10坪、33平米の住宅です。東京を拠点に活動する濱嵜良実+株式会社 浜崎工務店一級建築士事務所が手掛けました。時間・季節の変化で様々な光が入ってきたり、街の気配も内部の素材にバウンドして感知できるようになっています。こちらはそんな住宅のリビングルームです。ロフトからのハイサイドライトが白い空間にあるものすべてを、黒い床に鏡のように映しだしていることで不思議な広がりのある空間を作り出しています。

撮影:清水 襄

パノラマに切り取る連続窓

最後に紹介するのは建坪10坪の家に5人+1匹の家族が住む2世帯住宅です。東京を拠点に活動するアトリエハコ建築設計事務所が手掛けました。様々な距離感で外部を感じられるこちらの住宅。その中のひとつであるこちらは、周囲の風景を水平のパノラマに切り取る横長連続窓が空間に広がりを与えてくれています。住宅は広いから良い、狭いから悪いのではなく自分自身が1番大事にしたい空間を十分に確保できているかが大切なのだと思います。


【小さな家、狭小住宅ついては、こちらの記事でも紹介しています】

※ 狭小住宅を建てる前に知っておきたい6つのこと

追記:おおよそ10坪、45平米の家 (14坪)

こちらは下町の狭い間口の土地に建つ住宅です。鰻の寝床のような細長い敷地でも最上部のルーフテラスから降り注ぐ採光と大きな開口部が明るい室内をつくります。スケルトン階段を中心に半階ずらしながらまるで積み重ねるように居住スペースが配置されており、空間の縦スペースを上手に利用しています。こちらの住宅は、第8回NISCイソバンドデザインコンテストで住宅部門賞を受賞しています。

追記:おおよそ10坪以下、12.96平米の家(8坪)

狭小地に建つこの家は、厳しい敷地条件でありながらも室内は明るく広さの感じられる工夫が多く施されています。敷地の長さを活かし三角ルーフテラスを配置、光と風を取り込むスケルトン階段と吹き抜け、間仕切りを極力なくしスキップフロアでのゾーニングなど、立体的でリズム感のある空間デザインが特徴的です。住まいの環境デザイン・アワード2013では東京ガス賞受賞をするなど、狭小住宅のデメリットを感じさせない素敵な住まいですね。

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