狭小地に建てられた地域と繋がる家

Michiko JUTO Michiko JUTO
modern door 建築設計事務所SAI工房, Modern
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19坪の小さな敷地に計画されたこの住宅、準防火地域のため外壁に工夫を凝らした結果ユニークな外観を持つ建物となりました。この外皮とも言える壁と建物をずらすことで生まれた余白が外部空間となり豊かな住環境を生み出しています。手がけたのは建築設計事務所SAI工房。さっそく見てましょう。

屋根材を使った閉じた外観

戸建て住宅が建ち並ぶ住宅地の角地にある隅きりをした敷地はわずか19坪。 防火壁と構造壁の役割を担うこのレンガのような質感の壁は、耐久性に優れた屋根材で3色を混ぜて葺き、深みのある表情を出しています。角に面して設けられたエントランス周り以外は全く開口が見えないデザインになっています。狭い敷地ながらも車の停められる「前庭」も確保。「空気感を継承する家」も耐久性に優れた建材を外壁に採用し、外からは想像つかない豊かな内部空間のある住宅です。是非ご覧ください。

中は驚くほど開放的!

限られた面積を有効に使うため、玄関は居室としても使えるスペースになっています。外から見るよりはるかに開かれたデザインですよね。外壁と建物のボリュームを45°ずらしているので、そこに生まれる余白が様々な外部空間を作り出します。そんな開放的な空間構成が希薄になりがちな地域との関係性を見直すきっかけにもなり、様々なライフスタイルの可能性を意識した住まいです。

玄関と一体化した部屋

鉱物のようなマッシブな外観とは打って変わって内部空間は木をふんだんに使った有機的な雰囲気に。曲線を描く使いやすそうな存在感のあるテーブルや収納と一体化した階段などデザイン性に富んだインテリアが目を引きます。モルタルで仕上げた玄関と一体化した1階部分は、例えばオフィスや作業場としても使えそうですね。SOHO的なライフスタイルも可能です。植栽を施した三角形の庭が程よい抜け感をもたらし、空間を広く感じさせます。また大きな開口で外部に向って開かれていますが、ちょうど良い感じに外壁で周囲からの視線を遮りプライバシーも保たれています。

外部との距離を近づけたデザイン

まるで外空間に階段が属しているような錯覚を起こさせるほど外部との距離を近づけた設計が特徴的な住まいです。周囲に壁を張り巡らせることで完全にプライベートな外部空間を確保。そして最大限に開かれた内部空間が狭小地であることを忘れさせるほどの解放感をもたらします。夜間にはこれらのライトウェルはライトアップされ、昼夜を通して優しい光に包まれるポエティックな住まいなんです。

閉じた外壁がプライベートなシーンを生み出す

2階にはLDKを配置。完全にプライベートな空間です。味のある木板を張った天井とウッドフロアが落ち着いたLDKを演出しています。四方を開口に囲まれ解放感を感じさせるとともに、外皮で外部環境と遮断されているので籠もり感や安心感をもたらす不思議な空間。デザインに優れたキッチンや家具、造作の収納などが、とてもお洒落ですよね。

有効に光を取り入れる方法

4つのライトウェルから光を有効に取り入れるため、建物内部に面した外皮はガルバリウム鋼板で覆ってその表面の表情を楽しむと同時に、反射する柔らかい光で室内を包み込む工夫をしています。1階とは異なるメリハリのあるプランとデザインによって55㎡にも満たない床面積とは思えないくらい豊かな住空間を作り出しています。

シンプルなのにお洒落なトイレ

こちらはトイレ空間。やはり大きな開口を設け解放感を添えています。ドアは引き戸タイプでスペースを有効に利用。狭いながらもカウンターと洗面ボウルを設置し、パウダールームとしても利用できるように計画しています。ガルバリウム鋼板葺きの壁が室内まで入り込み、内外が一体化したスタイリッシュなデザイン、是非参考にしたいですよね。

空間を広く見せる方法

もう1つの水廻り空間です。こちらもまるで外部空間に溶けあるような開放的なデザインです。コンパクトながらもデザイン性の高いサニタリーを採用し、とてもお洒落ですよね。色彩を抑えたりガラス素材を採用することで狭い空間をより広く見せています。

閉じているのに開放的な住まいの作り方

屋上には花火を楽しむことのできるバルコニーを設けています。空に開かれた解放感溢れるプライベートな外部空間、外からは想像できないですよね。密集した住宅地の限られた敷地に地域との関係性を重視した解放感のある心地よい住まい、どこにでもある普通の建材を使ったシンプルな住宅でも光や空気を感じる豊かな暮らしを楽しむことができるんですね。

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