一般住宅というと敷地や法規の関係もあり、日本では2階建ての住宅が大半を占めるかと思います。ということは住宅内に階段が現れますよね。階段て意外と面積を占めるんですが、階段にもいろいろ種類があります。一番面積をとらないのが(梯子は例外として)螺旋階段です。本日紹介するのは住宅の中心的存在とも言えるオブジェのように美しい螺旋階段のある家で設計は遊友建築工房が担当しました。
木造軸組のモダンな新築一戸建てです。主に3つの大小異なるボリュームから構成されており、左の黒いシャッター部分はビルトインガレージです。ビルトインガレージは駐車以外にも物置やちょっとしたワークスペースにも使用できるので便利ですね。真ん中のボリュームがセットバックした部分の一階にはルーバー、右のボリュームの2階部分にはやはり木板の壁を採用し、プライバシーに配慮しつつ動きのあるデザインに富んだ外観を形成しています。
漆喰の白壁と木目のコンビネーションがモダンな中にも暖かいのある表情を生み出し、街路に対して親しみのある佇まいを見せています。道路や近隣住宅からの視線を考慮した位置に設けた開口も結果として豊かな表情を外観に添えています。
玄関です。内壁や天井も白でコーディネートとしています。黒の玄関ドアがクールな印象を与えますが、ラスティカルなフローリングが暖かさを添えた玄関廻りです。また三和土部分を質感のある壁がさりげなく仕切り、収納力たっぷりのスペースを設けています。あえて見せる収納法ですが、カラーコーディネートにもこだわりすっきりしていますね。
こちらが螺旋階段です。吹抜けになっているので非常に開放的で光が空間全体に行き渡る設計になっています。鉄工所で特注で作ってもらった階段だそうです。この住宅のアクセントカラーとなっている黒を螺旋階段にも使用し、クールでモダンな仕上がりが部屋を引き締めています。
ご覧のようにオブジェのような美しさを兼ね備えた螺旋階段。ミニマムなスペースで異なる階をつなげ、なおかつ存在感のあるお洒落な螺旋階段、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。
1階はLDKが一体化した間取りです。高窓により視線を気にせず採光と換気を確保しています。白とダークブラウンの配色でまとめた落ち着いたインテリアは指し色として黒を随所に使用してさらにお洒落な雰囲気に仕上げています。コーナーにはワークスペースも設け、限られた空間を最大限に活用したLDKです。
【らせん階段については、こちらの記事でも紹介しています】
キッチンダイニングエリアを見てみましょう。コンパクトな造りの対面式のキッチンはお子さんのいる家庭などでは様子を見ながら食事の支度ができるので機能的なんです。今時珍しい勝手口もあり便利ですね。床面積が限られている場合でも造り付けの収納を多く設けることですっきりとした開放的な空間が手に入るのです。
お天気の良い日はテラスで食事というのも良いですね。視線を気にせずしかも街路の気配を感じながら利用できる外空間は都市住宅ではこれからも需要が伸びていくのではないでしょうか。
なかなか都市部では庭を設けるスペースを確保することが難しいのですが、こういった外部空間を設けることで自然の移ろいを感じたり開放的な居住空間を確立することは豊かな生活を送る上では大事なことです。こちらのテラスには水道も設けてあり、様々な用途を想定した計画を行なっています。
明るく楽しい家。それは子どもの成長にとっても大切なこと。高低差のある天井にしっかりした軸組工法の駆体をあえて見せ、そこにハンモックをぶら下げるだけで楽しい空間に早変わり。 ちょっとした工夫で開放感や躍動感を持たせることで豊かな子ども部屋を作ることができるんです。