居心地の良い住空間を生み出す - 稲山貴則インタビュー

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トリミングルーム, 稲山貴則 建築設計事務所 稲山貴則 建築設計事務所 Scandinavische eetkamers
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今回ご紹介するのは建築家の方のインタビューです。お話をうかがったのは、稲山貴則 建築設計事務所の稲山さんです。稲山さんは、住宅、別荘、店舗、集合住宅など様々な建物の設計を手がけています。多くの建物を手がける稲山さんですが、今回のインタビューでは住まいに焦点を当ててお話しをうかがっています。稲山さんにとって、住宅を建てること、その背景にある考え、今後のヴィジョンとは何かを語っていただきました。

Q. 建築に興味をもったきっかけを教えてください。

高校時代にファッション誌に掲載されているデザインやインテリアに興味があり、大学の建築学科に進学したのがきっかけです。 当時はチャールズ・イームズのデザインが好きで、彼が建築学科出身だったため、建築学科に行けばいろんなものがデザインできると考えて建築学科を選びました。 大学に入った直後の授業で見た有名建築のスライドに魅了されて、4月のうちに建築家になることを決めていました。



Q. 家づくりで心がけていることはなんですか?

大きな部屋の中で家族が思い思いに過ごしても一体感があり、時には大勢で集うこともできる居心地の良いカフェや広場のような家を目指しています。 エアコンなどの設備機器やサッシ、断熱材の性能が向上し大きな部屋でも暑さや寒さが気にならない部屋をつくることができるようになりました。 1つのテレビをみんなで見る昭和時代から比べると家での過ごし方は様々です。 お互いが気兼ねなく過ごすことができ、それでも同じ部屋の中で過ごすことができる、そんな家をつくりたいと思っています。




Q. 例えば、手がけたどの家にそういった考えが表れていますか?

Tab House」です。 この家は若い夫婦と小さな子供1人の3人家族ですが、ご夫婦とも家で仕事をするときもあるので、部屋を立体的なワンルームとして、その中で仕事をしたり家事をしたり遊んだりと、 家族が思い思いのことをしながら1つの部屋を共有できる一体感のある生活を実現しました。 山梨県の北杜市は寒冷地ですが、エアコン1つで部屋を暖めるシステムを備えています。ご家族は竣工後2回冬を過ごされていますが、快適な暮らしを送られているとのことでした。



Q. 他にも、そういった家はありますか?

八ヶ岳の離れ」です。 この家は2階の床を屋根から吊ることで1階に柱のない空間を実現しています。 1階の一部(和室)をスキップフロアとすることで、緩やかに1階と2階をつなげています。 この大きなワンルームはデッキを介して庭ともつながり、部屋の中だけでなく庭も含めた敷地全体が大きなワンルームの様な生活を実現しました。



Q. 何か施主さんとの特別なストーリーはありますか? その事例を教えてください。

高校時代からの友人のご両親からの依頼で、家の建て替えの設計(倉のある家)をしたことがあります。 既存の家は高校時代に遊びに行ったこともある家で、自分の思い出の中にある建築に手を加えることはとても感慨深かったです。 地元で仕事をしていると今後もこの様なことがあるかもしれませんが、どの建築も誰かにとっては思い出深いものであり、 リノベーションや解体をする際は関係した人の気持ちに対する配慮が必要だと感じました。 また自分の仕事もお施主さんをはじめ関係する人たちにとって記憶に残るものであり、より良い記憶となる様な建築をつくりたいと考えさせられました。



Q. 今後どのような家を建てていきたいですか?

クライアントのためにつくることはもちろんですが、その価値がより多くの人に共有される様な普遍的な価値のある家をつくっていきたいです。

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