中二階は1階と2階の間に位置する中間階で、屋内バルコニーの一種です。中二階はそれを含む部屋に開かれており、常に階段でアクセス可能なスペースです。中二階は小さい室内に新しいスペースを創出し、生活領域や収納を増やすことができるので、近年ますます建築に取り入れられている手法です。この中二階の作製時に使用できる素材、タイプ、スタイルは非常に多様で、その機能もさまざまです。中二階の最も一般的な使い方はベッドの配置ですが、もちろんそれだけではありません。ホームオフィスや読書室に、リラックスエリアにしたり、子どものプレイエリアにするのもいいかもしれません。
小さな家であれば中二階の機能は非常に魅力的でしょう。今回はさまざまなタイプの中二階の設計例を紹介します。ぜひ参考にしてみてください！
最初の例はスペインの建築家によるマドリッドの歴史的中心部にある37m²の住宅。小さい面積にカップルに適した家を作るための解決策が、高い天井を活用して居住スペースを広げることでした。この中二階にはベッドルームが、下部にキッチンとバスルームが設置され、オープンなデザインにすることでスペースの見た目と心理面に余裕を持たせています。このプロジェクトの重要なポイントは、中二階を構成する大きな木材のフレームが上部のテーブルと手すりを支える支柱、下部のキッチンカウンターの三つの機能を果たしていることです。
中二階の使い方で最も一般的なのが、ベッドを置き寝室として設定することだと先述しました。マットレスや布団を敷くだけでもそこは眠るためのスペースとなりますが、住宅の天井高によっては収納スペースと座席エリアを備えた”本当の”ベッドルームを作ることもできます。こちらの中二階は木製の手すりで安全性を確保、格子の隙間が大きいので閉塞感はゼロ。下部にキッチンとバスルームが配置されています。寝室のためのスペースを一階にとる必要が無いので広々としています。
こちらは高さ3.40mという天井を利用してベッドルームに中二階を作製した例。居住可能スペースを増やし、ベッドルームにプラスαの機能を持たせることに成功しています。こじんまりした中二階では音楽を聴いたり、読書をしたり、瞑想するのもいいかもしれません。カップルで住んでいるけど独りになりたい時に… も役立ちそうです！
この明るく快適そうな部屋で注目すべきは中二階の特別な再解釈です。いわば、ベッドを底上げして作った中二階、と言うべきでしょうか。下部は圧迫感も違和感もない大容量の収納に、窓の高さと合わせたベッドからは開放的な景色を眺めることができます。機能を失うことなく寝室の視点を変える、斬新で機能的なアイデアです！ワンルームの部屋でぜひ活用してみてください。
玄関ホール＆通路エリアの上部スペースを利用し、玄関ドアの上部に配置された中二階です。玄関に立った時に視界正面に入らないので圧迫感を抑えることができます。中二階につながる階段の側面は収納に。こうして中二階を設置することでどんどんスペースが増えていきます！
こちらはかなりの高さがある部屋。木製の長い階段が一階と中二階をつないでいます。柔らかいラグとクッションを配置してリラックスできる読書スペースに。手すりにガラスを選んだので高さのある中二階の奥まで自然光が届きます。
吹抜け並の高さがあるスペースなら、こちらのようにほぼ二階と変わらない感覚の中二階も作成可能です。しかし個室の二階として壁で囲ってしまうと体感面積がかなり小さく、閉塞感が生まれてしまいます。開かれた中二階であることで、開放感とプライベート感を両立できるのです。窓があることも高ポイント！
