自然の中にある真っ白な箱のような家

K.Yokoyama K.Yokoyama
熊野町の家, 株式会社 T.N.A 株式会社 T.N.A Moderne huizen
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自然の豊かな地域の広い敷地に家を建てる時、大切なことは何でしょうか? 採光や通気、プライバシーの確保という通常の住まい作りに必要な条件に加え、周りの環境や景色との関係性も、特に考えなくてはならないことの一つでしょう。でも、それは必ずしも「景色に溶け込むようなデザインの家にすること」とは限りません。今回紹介するのは、抽象的なデザインが目を引く「熊野町の家」。広島県を拠点に活動し、自然に寄り添った住まい作りをテーマとしている株式会社T.N.A.によって手掛けられました。一体どんな住まいなのでしょうか?さっそく見て行きましょう!

抽象的な白い箱

住まいのロケーションは広島県の山あい。自然の豊かなこの地域の100坪という広大な敷地に、「箱」を置いていくというイメージで、住宅のプランは考えられたそう。こちらは、北側から見た外観の様子。この「箱」のような家は、とても抽象的で、ランダムにつながっているようにも見えます。これは、空間同士の微妙な距離感、周囲のプライバシー、日当たりや風通りを考えての結果だそう。開口を出来るだけ抑え、白い立体図形のような住まいを、あえて景色に溶け込ませない抽象的なデザインにしたことで、逆に周囲の自然に意識が向き、それを際立たせているという対比効果が生まれています。

オープンな雰囲気の南側

北側の抽象的な立体図形のような外観とは対照的な、かなりオープンな雰囲気の南側の様子です。日光の入る時間帯や角度を考え、このように開口部の位置や大きさを決定していきました。広い芝生の庭もあり、自然を思いっきり感じることの出来る、開放感のあるスペースとなっています。また庭の周囲には、景色にそっと白いラインを引くかように囲う塀があり、それが隣地との境界線として存在しています。

境界のない抽象的な空間

多くの開口があり、風も光も気持ち良く感じることが出来るリビング。全てを開け放って屋内と屋外の境界をなくすと、人も、家の中にいるのか外にいるのか分からなくなるくらい、建物の存在を意識せずに過ごせるという不思議な空間になっています。中庭に面する開口をフルオープンにすることで空間がつながり、中庭と一体化した部屋の利用も出来そうです。

木のぬくもりを感じるダイニングキッチン

こちらはダイニングキッチンの様子。キッチンカウンターは、十分な作業スペースがあるため、毎日の料理もはかどりそうです。ダイニングテーブル&チェアーは、木のぬくもりを感じるような優しいデザイン。また、ダイニングへの採光は、少し抑えていることもあり、落ち着いた気分で食事が楽しめます。キッチンとダイニングの間にある木の棒は、線でスペースを区切りながらも、同時に空間のつながりを程よく保っており、不思議な仕切りの役割を果たしています。

離れのような和室

和室は、中庭を挟んでリビングとは距離を取った位置にあります。離れのようなイメージで、他の住居空間とは別の存在として区別するために、開口部を小さく抑え、日中も少し暗めの状態が保たれた部屋となっています。そのおかげで、リビングや他の部屋とは違う、癒しや安らぎを得られるようなスペースが出来上がりました。

家族をつなぐ中庭

住まいの中で、リビング、ダイニング、和室をつないでいる中庭。日差しや風を室内に取り込み、またプライバシーを守りながらリラックスできる空間として、重要な場所となっています。中庭に面する壁はガラス張り、床レベルも室内と揃えられ、室内との区切りを意識せずに過ごせます。この中庭の存在は、家族それぞれがお気に入りの場所にいても、お互いの気配を感じることを可能にしていて、部屋だけでなく家族もつなぐ中庭なのです。

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