緑豊かな緩衝地帯を持つ家「H residence」

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H residence, 山崎壮一建築設計事務所 山崎壮一建築設計事務所 Moderne huizen
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住宅地においてはプライバシーの確保と開放性が両立できないことも多々あります。近隣住宅からの視線を遮る為に壁を建てれば閉塞的な空間になってしまう。そうではなく、プライベートな空間と周囲の建物との間に何か緩衝地帯があれば… 。「気候風土を丁寧にとらえ、光と風に満たされた快適な環境をつくること」を大切にしながら活動している山崎壮一建築設計事務所が手掛けた住宅は、庭によってその問題を解決しました。さっそくご紹介します。

緩衝地帯としての庭

こちらはH residenceと名付けられた閑静な住宅地に建つRC造2階建ての住宅です。クライアントからの要望はプライバシーの確保と開放性でした。そういった場合、敷地に中庭を設けその庭に向かって開かれた建物とすることが良くありますが、建築家はそうではなく南北両面に庭をとり敷地中央に縦長のヴォリュームを配置しました。

緑の緩衝地帯

そうすることで周囲の建物とプライベートな生活空間を隔てる緑豊かな緩衝空間が出来上がったのです。壁や塀ではなく樹木によって作られているその緩衝地帯は、四季の移ろいを見せてくれるだけでなく夏は強い日差しを遮り、小鳥等の小動物を呼び、生い茂った葉は空気をきれいにするといった効果もあります。そして住居を囲んでいる木々に守られているという安心感も与えてくれることでしょう。に張られた天幕は適度に日差しを遮り快適なアウトドアリビングを作ります。樹木が描く影を映すキャンバスにも。

ずれによって生まれるもの

中央のヴォリュームはプログラムにあわせて4つのブロックに分節されており、それらを少しだけずらしながら繋いでいます。これにより外観に変化が生まれると同時に、庭もエントランス・リビング・ダイニング・キッチンといった各部屋からそれぞれの空間の特性に合わせた庭を楽しむことが出来るようになりました。

余裕のある空間

またそのずれによって内部には視線や風の抜け道が生まれるとともに、空間に適度なたまりが出来ました。そのたまりとは空間の持つ”余裕”や”余白”のこと。その余白は住み手によって変化し、いつしかその家だけが持つ色に染められていくことでしょう。

重厚感と柔らかさが同居する内部

内部空間は重厚感のある本実のRC壁と、その存在に負けない豊かな素材感を持つ木材をメインに作られました。コンクリートの強い存在感を和らげる柔らかなライトブラウンでまとめられたインテリアは、落ち着きがありつつもどこか華やかな雰囲気。同じ色でも素材の持つ微妙な色彩の違いが印象に深みを与えます。

スタイリッシュなキッチン

キッチンはステンレスと黒をメインにしたスタイリッシュなデザイン。差し色の赤が食欲を刺激します。もちろん大きく取られた窓から庭を眺めながら作業が出来ます。

緩衝地帯に守られた家

庭に新たな役目を与えたH residence。住宅地にありながら豊かな緑に囲まれた空間、住み手は樹木と家に守られ安心感のある落ち着いた日々を送ることが出来るでしょう。

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